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SDGs バイオマスエネルギーでトマト栽培

<リード>
「SDGs」、今回はエネルギーがテーマです。

福岡県古賀市で、持続可能なエネルギーを使って、エコで糖度の高いトマト作りに取り組む農家を取材しました


真っ赤に完熟したフルーツトマトを、いつくしむように収穫する「FromTomato」代表の佐々木悠二さん。

実は佐々木さん、農業を始めてまだ4年です。

以前は、製鉄所を設計するプラントエンジニアとして、中国やインドなどで現場監督も務めてきました。

しかし、31歳の若さで退職したのです。

●インタビュー

海外で働いているときに、日本のエネルギー自給率の低さを痛感したという佐々木さん。

いつかはなくなってしまう資源に頼っていることに、強い危機感をもちました。

●インタビュー

バイオマスとは、植物などを由来とする再生可能なエネルギー資源です。

バイオマスを燃やしてそこで出る二酸化炭素を、次のバイオマスが吸収して成長する従来の化石燃料に置き換えて使うことができれば、CO2の抑制につながり、地球温暖化防止の効果が期待されています。

そこで佐々木さんが着目したのが・・・

●インタビュー

佐々木さんが目指すのは、化石燃料のかわりに放置竹林の竹を使ってビニールハウスを温め、エコでおいしいトマトを育てる循環型農業です。

前職のプラントエンジニア時代に培った知識とスキルを生かして、自らバイオマス・ボイラーシステムを開発しました。

地元の放置竹林を伐採し竹炭を作り、それをボイラーの燃料に使って、お湯をわかします。

トマトの株元に通した配管にお湯を流すことで、冬でもトマトを栽培できる仕組みです。

ハウス全体ではなく株元だけを暖めることで、エネルギーの効率化も図っています。

●インタビュー

さらに、水の量を最小限に抑えて栽培することで、普通のトマトより糖度が高くなります。

この一石二鳥の栽培方法で作った環境にやさしい、おいしいトマト。

トマトの栽培をはじめて3年目の秋、順調に育ちあと1ヶ月で出荷となるはずでしたが、予想外の出来事が・・・

●インタビュー

去年9月、九州を襲った台風10号。

手作りのハウスが強風で壊れ、収穫間近の4500本の苗が被害を受けました。

被害額は約500万円。しかし落ち込む暇もありません。

被災をまぬがれたもう一つのハウスで栽培を再開し、今月収穫の時期を迎えました。

一般的なトマトは糖度が5~6度ですが・・・

●インタビュー

半年ぶりに、古賀市の直売所の野菜コーナーに陳列します。

早速、佐々木さんのトマトを買い求める客の姿が見られました。

●インタビュー

佐々木さんは、自分が作ったトマトが様々な人に、日本のエネルギー問題を考えてもらうきっかけになればと考えています。

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