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熊本市中心部のアーケード・上通にあるオモケンパーク

熊本らしさを全身で感じられる建物「オモケンパーク」とは?

 

北部九州・山口災害情報パートナーシップを結ぶコミュニティFM各局とRKBによるコラボ番組『ローカる!』。地域密着のコミュニティFM局のパーソナリティにとっておきの街ネタを紹介してもらう。4月は熊本県熊本市にある「熊本シティエフエム」とのコラボでお送りする。20日の放送では、熊本市中心部のアーケード・上通にある建物「オモケンパーク」を紹介した。(報告:『ローカる!』ディレクター荒木風花)

 

熊本市のコミュニティFM「熊本シティエフエム」とは

熊本シティエフエムのロゴ

 

熊本シティエフエムは1996年に開局したコミュニティFM局。熊本県熊本市全域を放送区域として、FM791の愛称で熊本市民に愛されている。開局当時から「地域密着」「住民参加型」「防災」という理念で放送し、2016年に起きた熊本県を震源とする地震の際は、いち早く情報を伝えた。大人気番組「子どもラジオ局」は百貨店「鶴屋」にあるサテライトスタジオから小学生が毎週出演し、発声練習から学校自慢、ニュース読みまで挑戦する。

今回は熊本シティエフエムの管理施設「熊本市市民活動支援センター・あいぽーと」で働く、八代市出身の黒木亮太さんと熊本市内のホットな情報を4回にわたって紹介する。

●オモケンパークが出来たきっかけとは?

オモケンパーク完成時の写真

 

やってきたのは、熊本市中心部のアーケード・上通。3階建てのビルに高さに様々なジャンルのお店が入っている。その一角にある建物「オモケンパーク」は、天井がなく、空が見える開放的な空間になっているカフェ。名前の由来にもなったオモケンパークディレクターの面木健(おもき・たけし)さんに詳しい話を聞いた。

 

荒木:アーケードなのに天井がない造りですが、これにはどんな意図があるんですか?

面木さん:結果的にこうなったんです。きっかけは2016年に起きた熊本地震でした。それまで建ってた古いビルを取り壊して、オモケンパークが出来ました。取り壊しが決まった時、実感として「最近上通が空き店舗増えている」というのがあり、3階までお店が埋まっている昔の風景がありませんでした。だったら次に建てる建物は3階までなくてもいいな?と思い始めました。それと同時にお金の問題も発生しました。取り壊して、更地して、新たな建物を…となると億単位の借金を自分の子どもの代に背負わせるわけにはいかないということで、今の形になりました。

●熊本らしさを感じられる内装

建設途中のオモケンパーク

 

2019年に開店したオモケンパーク。コロナ禍を乗り越え、老若男女が集まるカフェとなった。内装にもオモケンさんのこだわりが詰まっている。

 

面木さん:建物の壁面は阿蘇郡小国町にある「小国杉」を使ったCLT構法なんです。木材でできているのですが、パッと見は内装で木を貼っているように見えるんです。実は3層構造になっていて、厚さ90ミリの集成材なんです。このCLT構造は新しい時代の、コンクリートを多用しない作り方で、今では世界的に言われている「サステナビリティ」に通じていると思います。もちろん、コンクリートに比べてCO2排出が少ないというメリットもあります。

 

普段は別分野で会社員として働く面木さんは、いつか自分が建物を建てることがあったらCLT構造に!と思っていたそう。こだわりは構造だけではない。

 

カフェの1階部分には井戸が!

 

面木さん:カフェの中庭に植えている木は阿蘇から持ってきました。オモケンパークを作った庭師さんが阿蘇から運んできてくれました。さらに、以前建っていたビルを解体したら昔使っていた「井戸」が出てきたんです。その井戸にポンプを取り寄せて、手押しポンプで復活させました。熊本は都市圏人口100万人暮らしている街で、すべてが地下水で賄われている世界的にも珍しい「水の町」なんです。それを象徴するような場所を街中に作りたいという思いが合致しました。

 

●誰もがエントリーしやすい場所に

イベント開催時のオモケンパーク

 

オモケンパークを訪れると、知らず知らずのうちに熊本の素材に包まれて、居心地よく過ごしてしまう。そんなオモケンパークには若い女性を中心に、老若男女で賑わう。そこには、ある思いがあった。

 

 

面木さん:上通のアーケードには段差なく、お店の中まで入ってきてもらえるような造りにしています。それは、ベビーカーや車いすの方がストレスなく入ってきていただきたいという思いがあります。また、上通付近にはお年寄りも多いので、そういった方の休憩場所にもなっているかなと思います。

オープン時のオモケンパーク 多くの人で賑わう

 

カフェメニューにもこだわりが詰まっている。コーヒーは自分たちが美味しいと思う豆を取り寄せていたり、季節ごとにスタッフが手作りしているデザートメニューも絶品だ。これからのオモケンパークはどうなっていくのか?面木さんの熱い思いを聞いた。

 

面木さん:このオモケンパークが、昭和の時代の商店街というスタイルでの街中の姿の中を、少しでもモノの売り買いではない、「コト」がある場所を作っていきたいです。例えば、イベントとか…それによって、人が集まってくるような場所「にぎわい」を作っていきたいです。

 

横のつながりがない時代において、オモケンパークは地元の人も移住してきた人も「熊本はいい街だな」と体感できる場所になっていると感じた。次回27日(土)はゴールデンウィークに訪れてほしい熊本で話題の場所を紹介する。

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