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おばあちゃんパワーでビジネスを!

福岡県うきは市の山村に5年目を迎えたベンチャー企業「うきはの宝」があります。ここで働くのはなんと75歳以上のおばあちゃんたち。少子高齢化の問題を抱えた地域の持続を目指し、経験と知識が豊富で元気いっぱいの「おばあちゃんパワー」を眠らせておくのはもったいないと、代表の大熊充さん(43)が立ち上げました。

 

おばあちゃんたちのアイデアを生かした食堂運営や商品開発、さらには「ユーチュー婆」なる動画配信など、おばあちゃんたちの活躍は多岐にわたります。中でも最近力を入れている新規事業が「ばあちゃん新聞」。戦中戦後をたくましく生きたおばあちゃんの人生や、地域で伝承されてきた料理のレシピなどを記事にしています。時にはおばあちゃん自ら取材するスタイルが話題を呼び、定期購読の契約も好調。


これら「うきはの宝」の商品開発は、全ておばあちゃんたちが「仕事」として関わり、きちんと時間に応じた報酬を受け取っています。この取り組みは全国の自治体から注目され、代表の大熊さんの元には講演やコンサルティングの依頼が後を絶ちません。高齢者のポテンシャルを存分に発揮させ、生きがいや報酬を生み出す。大熊さんは、シニア女性と地域が秘めるポジティブなチカラで、日本はもっと元気になれると信じています。

「うきはの宝」https://ukihanotakara.com/
*ばあちゃん新聞  年間購読料5980円 1部330円

取材後記

料理ができて、生活の知恵が豊富。人生の酸いも甘いも知っていて、いつも笑顔でパワフル!そんなおばあちゃんたちの人間力は最強だ。全国の、いや世界のおばあちゃんたちの潜在能力を活かせたら、世界はもっとハッピーになるに違いない。「うきはの宝」のおばあちゃんたちを見ていると、そう思わずにはいられない。

 

しかし社長の大熊さんは言う。「このシステムを日本中に広げるためには、高齢者のための労働基準を作らないといけない。」是非、高齢者の「生きがい」と「報酬」のために国も動いてほしいと願う。

 

老後は何もせずにゆっくり過ごす…これも幸せかもしれないが、「喜ばれる喜び」を感じながら働き続け、ピンピンコロリで人生を終えることこそが本当の幸せなのかもしれない。


(RKB毎日放送/吉賀 亜希子)

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